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旅人と幽霊2-3 [小説]

 少女が開いたフォルダは名前の通り日記だった。
「月毎にまとめてあるようですね。一番古い日記は…2020年。」
「世界がこんなになる五年程前か。」
 少女が2020/10と書かれたファイルを開く。
「読んでみますか。『22日、私は病気にかかってしまった。医者には夢遊病によく似た症状だと診断された。そしてもう一つ私はガンも同時に患ってしまったようだ。23日、私はもう長くない。しかし、一つ心残りがある。昨日書いた病気の件だが、夢遊病というよりはもう一つの自我が私の寝ている間に私の体を使っていると言ったほうがいいか。ともかくこの病気は夢遊病とは似て非なる物だ。具体的には死んだ後もこの病気は続く。さっき書いたもう一つの自我というのは私が死んでもお構いなしのようだ。治療法は現在見つかっておらず、死体の状態の患者は骨まで焼き尽くすしか止める方法はないそうだ。まぁ、これを見ている人間がいるとしたら私の死体に気を付けたまえ。』…。これを書いた人間は十中八九死んでいるはず、ですよね。」
 少女が息を飲む。そこで青年が青ざめた顔で振り返った。
「あ、あのさぁ、あの扉の所に転がってる骨ってもしかしてさ…。」
「さて長居は無用です帰りますか。」
 少女が表情を変えずにしかし普段より若干焦り気味に歩き始める。
「お、おい置いてかないでよ。」
 青年もその後に続く。少女は依然早足のまま扉の方へ歩いている。そして1mほど手前まで来たときに勢いよく扉が閉まった。
「!」
 少女が肩を強張らせる。
「あ~、俺の予言的中ですか?」
 扉は独りでに閉まったわけではなく、そこに転がっていた骸骨が起き上がっていた。
「あの、骸骨が扉を閉めたわけですね。私達を逃がすつもりはないと言う訳ですか。」
「それにしても君は骸骨を呼び寄せる力でもあるのかい?」
「あなたの時はそっちが見せ付けてきただけでしょうに。勝手に人を変人扱いしないでください。」
 そういいながらも少女は腰の銃(かなり古い回転式拳銃で完璧に少女の趣味である)を抜いている。骸骨はフラフラとした動きで夢遊病患者のように少女達に近づいてくる。
「撃ったぐらいで死ぬの?さっきの日記には燃やすとか何とか書いてあったけど。」
「そういうんだったらアレを燃やせるだけの燃料をバイクのガソリン以外から見つけてきてくださいよ。」
「少なくともこの家には燃料らしき物はなかったね。」
「そうでしょう。これは逃げるが勝ちです。」
 そういうと少女は容赦なく骸骨の眉間辺りを撃ちぬいた。

続く。

あとがき

今日、追試なの忘れていて昨日一日更新できませんでした!ゴメンナサイ。

はい、なんとかできました。っていっても書き始めてからずいぶん時間がたってるので当初予定していた話とは大分ずれてきました。

動く骸骨だす予定はあったんですけど、対峙させる予定はありませんでした。

でも少女が銃もってるんだから撃つシーンあってもイインジャネ?と思い急遽話を変えました。

因みに少女のもってる銃はHWS・ニューモデルアーミー辺りをモデルにしてます。

やっぱりリボルバーはバレルが長くないとね!というわけででかいのを参考にしてるわけだけど、

リボルバーで画像検索した時アームスコーが思いのほかたくさんヒットして吹いた。

因みに一番興味を引いた銃はパイファーのツェリスカという銃だったのだが…

world-largetst-replica.jpg

流石に少女の柔腕でこれはもてません。なんでも世界最大の拳銃らしいですよ。拳銃の定義を知りたい。

ともかく次回にこの旅人と幽霊二話もようやく完結予定です。

それでは~。
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